無料ブログはココログ

Zenback

2017年7月 3日 (月)

月刊ブログ 田舎の地域医療を志す薬剤師(2017.7)(地域住民のヘルスリテラシー向上のために何かできないだろうか?)

一般の方向けにサプリメントや健康食品の話をしてほしいという依頼を受け、何を話そうかと考えていました。おそらく一番興味があるのは「効果」についてではないかと思うのですが、商品数が多すぎるので全てを網羅して話すのは実質不可能です。
時々知り合いから、「〇〇って効くの?」って聞かれるんですけど、傷付けないように当たり障りのないことをいう事が多いです。ネットを見ればたくさん情報が出てるのに…でも、その情報の分別が難しいのかな…と。
そんな時にふと頭をよぎったのが「ヘルスリテラシー」でした。


「ヘルスリテラシー」とは簡単に言えば、「健康情報についての情報リテラシー」です。2012Sorensenらによると、「健康情報を入手し、理解し、評価し、活用するための知識、意欲、能力であり、それによって日常生活におけるヘルスケア、疾病予防、ヘルスプロモーションについて判断したり意思決定をしたりして、生涯を通じて生活の質を維持・向上させることができるもの。「入手」「理解」「評価」「活用」の4つの能力にまとめられ、さらにそれらの能力を発揮する場として「ヘルスケア」「疾病予防」「ヘルスプロモーション」の3つの領域が挙げられる。」と定義づけられています。

サプリメントや健康食品等に関する情報は世の中に溢れています。しかし、それらの情報を利用者がうまく活用できているかと言われれば、そうではないと思います。こういったものにはやや誇張した表現が多いように思いますが、その区別ができてないのではないかと感じています。サプリや健康食品だけでなく、がんや薬のことなどにもそういった情報がかなり出回っているように思います。
(「日本のインターネットのがん情報の半分以上は信頼できない」というような趣旨の報告もあります。こちら→Differences in the quality of information on the internet about lung cancer between the United States and Japan.J Thorac Oncol. 2009 Jul;4(7):829-33.PMID:19550244 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19550244)

ヘルスリテラシーについて調べていると、「日本のヘルスリテラシーはヨーロッパよりも低い」という大変興味深い論文が発表されていることを知りました。
(こちらです→Comprehensive health literacy in Japan is lower than in Europe: a validated Japanese-language assessment of health literacy.BMC Public Health. 2015 May 23;15:505.PMID:26001385 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26001385)
(
この文献に関しては、先日こちらで取り上げて色々考察してみました。よろしければご参考に)
その理由としては、以下の4つが記載されていました。
①日本とヨーロッパとの比較で最も差が大きかったのは「病気になった時、専門家(医師、薬剤師、心理士など)に相談できるところを見つけるのは?」で、日本では6割が難しいと回答したのに対してEUでは1割と差が開いた。
②ジェネラリストとして訓練されているゲートキーパー(すなわち、プライマリケアの医師または看護師)が不足している。
③情報についていえば、日本の調査での項目の中で、「気になる病気の治療に関する情報を見つけるのは」「気になる病気の症状に関する情報を見つけるのは」「メディア(テレビ、インターネット、その他のメディア)から得た健康リスク(危険性)の情報を信頼できるかどうかを判断するのは」で難しいという割合でも差が大きくなっている。これらからは、インターネットを含めた情報の入手先の問題が指摘できる。
④日本の健康科学・医学系の論文を無料で検索できないという問題もある。世界で出版されている論文は、アメリカ国立医学図書館がPubMedというサイトで、無料で論文のデータベースを検索できるようにしていて、要約を読むこともできるし、無料で公開されている論文ならすぐに読むこともできる。しかし、日本語で書かれた論文の多くは検索対象外になっている。
全て納得できる考察ですし、これ以外にも要因はあるのではないかと思います。
じゃあ自分はどこに貢献できるのだろうか?と考えたところ、上記③のような情報の入手や活用についてだと考えました。

先日、高齢者サロンで、少しだけヘルスリテラシー関連の話をしてきました。週刊誌、書籍、ネットの‘偽’医学情報についての話でした。スライドはこんな感じで。
Photo
お聞きしてみると、実際にこういったものを読んだ方もいらっしゃいましたし、それを読んでの不安もあったようです。私の話で少し和らいだのではないかと思っています。このような情報に対して、医療者側が発信していく場というのはとても重要なように感じました。

住民に向けてヘルスリテラシーに関する取り組みをするとなれば、このような「場」をどうやって作るのかが重要なように思います。地域のヘルスリテラシーを高めるにはこういった「場」を多く作り、こちらが発信する情報に触れてもらう必要があります。そういった意味では、病院薬剤師の私からすると、薬局という「場」が羨ましかったりします。
情報の発信に関しては、不特定多数ではなく特定の方々にしていきたいなと考えています。面と向かって対話をしていく方が自分には合っていると思いますので。そして、それを受けた人が周りの方々に伝えてもらえれば、ヘルスリテラシーの高い地域になっていくのではないかなと妄想しております。そんな簡単に上手くいかないでしょうけど。
(
こういったことを相互作用的ヘルスリテラシーと呼ぶようです。ちょっと使い方が変かもしれませんが。相互作用的ヘルスリテラシーについてはこちらをご参照ください。ちなみにこの戦略()『ヘルスリテラシー-健康教育の新しいキーワード-』のP129P140に記載されている福岡県古賀市の取り組みを参考にさせていただきました。ほぼパクリかもしませんが。)

こんな感じで、何か地域に向けてできればなぁと考えております。動く前に地域のニーズを調べたいですねぇ。たぶんあると思うのですが。あと地域診断もやってみたいなぁ。。。

最後に、お薦めのヘルスリテラシー関連について書かれているサイトや書籍を紹介して終わりにしたいと思います。本文も大いに参考にさせていただいております。

インターネットサイト
【健康を決める力】このサイトでヘルスリテラシー(健康や医療に関する情報を探し、理解し、活用する力)を身につけましょう
朝日新聞アピタル 大野智先生による連載 これって効きますか?
Pharmatribune「薬剤師目線で考える 今月、世間を賑わした健康情報」

書籍

ヘルスリテラシー :健康教育の新しいキーワード
「原因と結果」の経済学―――データから真実を見抜く思考法

2017年6月29日 (木)

月刊ブログ 田舎の地域医療を志す薬剤師(2017.6)(退院カンファには薬局薬剤師も病院薬剤師も参加して欲しいな)

最近、退院時共同指導(いわゆる退院カンファ)に呼ばれることが増えてきたのですが、参加して感じていることについて書いていきたいと思います。(あっ、はじめましての方のために。私は田舎の中小規模の病院に勤める薬剤師です。意中の球団が7連敗しており心が荒んでおりますが、頑張って書きますのでよろしければお付き合いください。)

保険薬局における薬学管理料としての退院時共同指導料は、「保険医療機関に入院中の患者について、当該患者の退院後の訪問薬剤管理指導を担う保険薬局として当該患者が指定する保険薬局の保険薬剤師が、当該患者が入院している保険医療機関に赴いて、患者の同意を得て、退院後の在宅での療養上必要な薬剤に関する説明及び指導を、入院保険医療機関の保険医又は看護師等と共同して行った上で、文書により情報提供した場合に、当該入院中1(別に厚生労働大臣が定める疾病等の患者については2)に限り算定できる。」(http://tensuhyo.html.xdomain.jp/28/t/15-4.htmlより)となっています。

しかし実際問題、その対象となる患者はかなり少ないと思うのです。当院に関して言えば、現在訪問薬剤管理指導を受けている患者はゼロです(まあこれは、主に訪問看護師が薬剤の管理をしているからであって、そこに問題があるのかもしれないが、今回はそっとしておきますね)。概ねの方は退院後も外来通院ができます。

でもだからといって薬が管理できる患者ばかりではありません。退院後、薬局薬剤師によるフォローをしっかりと行ってほしい患者はたくさんいます。内服の管理ができない人、吸入・注射等の外用剤の手技・コンプライアンスが不安な人、家族は一緒だけどサポートが期待できない人などなど。

退院カンファは、患者さんの生活、考え、周りのフォロー体制等を把握するのに絶好の場である、と参加していて思います。ここでの話の内容は、薬局でのインタビューから聞き取るのは難しい内容も多く含まれていると思います。種々の情報提供書から知ることもできますが、生の声というのはまた別物のようにも感じます。そして、このような方々における薬の管理というのは、周りの方の協力があって成り立つものだとつくづく感じるのです。

また、退院カンファは退院後にその患者に関わる各方面の方々と顔を合わせるいい機会でもあります。まさに顔の見える関係ですね。それと同時に、自分たちの役割を他職種にアピールする場でもあると思っています。未だに保険薬局のことを「調剤所」、薬剤師のことを「調剤師」としか思っていない他職種は多くいるのが現実ですからね。

なので、薬局薬剤師にも退院後のフォローが必要な患者の退院カンファには来てほしいのです。ただ、現状の制度ではそこにフィーは発生しないんですよね。一人薬剤師等、小規模の薬局が多くを占めることも薬剤師の人数がギリギリの薬局が多いことも理解しています。参加したくてもできない方もたくさんいると思います。でも、そこをなんとか!退院後に関わる多職種が集まる中で、保険薬局の薬剤師だけいないというのも嫌なので。それに、退院後、薬局薬剤師がどのように関わることができるか、という話もしてほしいですし(これが知られていないから呼ばれないという可能性も十分にあるのですが…)(まあ、在宅患者の退院カンファで薬局薬剤師は参加するけど、病院薬剤師が参加しないというのも時々聞きますが、それは論外ですね。)

今回は、最近感じていることを感情に任せて書いてみました。もし勘違いしていることがあればご指摘ください。偉そうなことを言っていますが、まだ退院カンファには数回しか参加したことはないですし、薬局薬剤師を退院カンファにお呼びしたことはありません。また機会があればお誘いしてみたいと思います。

2017年5月27日 (土)

月刊ブログ 田舎の地域医療を志す薬剤師(2017.5)(高齢者サロンでの出前講座)

一昨年から当院では、町内各地区の高齢者サロンに出向いて種々の職種が30分くらいの出前講座を行っております。今年から薬剤師も参加することとなり、4月・5月と1回ずつ行ってきました。対象者は1020名でした。
講座名は、「薬とうまく付き合っていくために大切なこと」です。
目的はこちら。なんかもうちょっと良い言い方がないのかなと思いながら…
Photo
内容はこんな感じです。
Photo_6
こういった場で薬剤師が話をすることはあまりないので、まずは薬剤師の業務内容を簡単に紹介しました。その後に本題へ。
抗菌薬の話はどうしても入れたくて入れてみました。参加者からすれば興味のないことかもしれないですが、重要なことですので。でも、つかみのスライドは若干すべりました。
Photo_7
伊勢志摩サミットでも取り扱われたっていうことを伝えたら事の重要性が伝わるのかなと思ったのですが、ぽかーん…、でした。
対象者が高齢者だったこともあり、あまりピンときていないようでした。

一番盛り上がったのは誤飲の話ですね。子供じゃなくて高齢者の方です。PTPの誤飲や認知症による外用剤等の誤飲の話をしました。みなさん驚かれてました。
(諸々の事情でスライドの公開は控えておきますが、データは以下の消費者庁のものを使用しました。
「高齢者の誤飲・誤食事故に御注意ください!」
http://www.caa.go.jp/safety/pdf/150916kouhyou_1.pdf
また、グラフは以下のサイトを参考にしました。
「高齢者の誤飲・誤食が増加中…最も危ないのは薬の包装シート!?不慮の事故、そして「死」を招かないために、しておきたいことは何?|みんなの介護ニュース」
https://www.minnanokaigo.com/news/N77727829/


あとは、残薬の話も比較的盛り上がりましたね。
Photo_8
よくある質問では、「ジェネリック医薬品とは何ですか?」「薬は他人に譲ってもよいですか?」「薬はどこに保管すればよいですか?」「薬に有効期限はありますか?」「処方箋に有効期限はありますか?」「食事を摂らなかったときは、薬を飲んではいけませんか?」「薬は水で飲まないといけませんか?」「錠剤やカプセルが大きいので、噛んだり、カプセルから中身を出して飲んでもいいですか?」についてお話ししました。

講演のあとは、質問コーナー。
皆さん色んな悩みがあるようで。勉強になりました。まあでもオープンな場であり、初対面の方ばかりなので抽象的な回答しかできないのが辛いですね。別の機会に、個人的にお話ししたい内容もありました。

ただ、こういった町に出ての講演というのは病院薬剤師より薬局薬剤師の方が向いている気がします。かかりつけ薬剤師のこととか、セルフメディケーションのこととか、病院薬剤師では話がしにくいので。町の中には薬局が2軒しかありませんので、どちらかに誘導することになってもいけませんので。あとは私が、「薬剤師に相談してください」って言ってもだいたい相談するのは薬局薬剤師ですし、「そんなことできない!」なんて言われる可能性もありますし。色々と気を遣うんですよね。。。

何だかんだ書きましたが、毎回本当に勉強になっています。こういった機会が頂けてありがたいです。
まだ今年のうちに同じテーマで何回か話をする機会もありそうですので、試行錯誤しながらやっていきたいと思います。

最後に、Slide Shareに同じような講座をされた方のスライドがありましたので、参考にさせていただきました。ありがとうございます!

薬との上手な付き合い方 薬剤師 古賀様
https://www.slideshare.net/kiyonet/ss-69512891
お薬との上手な付き合い方 天心堂梅崎薬局様
https://www.slideshare.net/tenshindo/ss-53759136

2017年4月22日 (土)

月刊ブログ 田舎の地域医療を志す薬剤師(2017.4)(いつの間にか忘れていたもの)

先日、ひょんなことから今後の私のやりたいことを某医師と話す機会がありました。あれやこれやといくつか話していましたが、途中で気付きました。
「分からない!」
事柄としていくつかやりたいことは浮かぶのですが、それぞれが繋がっておらず、まとまりがないような感じで。なにか必死に思いだそうとしていました。せっかくの機会でしたが、結局はうまく話せずに終わってしまいました。
なんでだろう…と、帰宅してから考えました。しばらく考えると、何となくその理由が分かった気がしました。今の私にはビジョンがなかったのです。いやむしろ、ビジョンを忘れてしまったというのが正確なように思います。

おととしまでは正職員の薬剤師は私のみでしたが、去年の春から上司がやってきました。20歳以上歳の離れた上司です。間もなく1年の目標や今後のビジョンについて話をする機会がありました。将来のビジョンも含めながら、1年間の目標を1015個くらい挙げました。そこで言われたことは、「数が多すぎる。絞らないとできない。私が選ぶから、それをやるように。」と。
なかなか衝撃的な出来事でした。よそから来た誰だかよく分からないおっさんに全否定されたような感じでしたから(彼は、決してそういう気持ちではなかったかもしれませんが)

確かに数は多かったかもしれませんが、自分1人しかいなかったのでできていなかったことが沢山ありましたし、今後やっていきたいこともありました。タイミングもあるので、何も全部をするつもりでもなく、その時々でどれをするかは考えていこうと思っていたのですが。
その後も何度か話をする機会がありましたが、結局溝は埋まらず。私は完全にやる気をなくしてしまいました。その目標一つ一つがビジョンに繋がっていたので、いくつか削られたおかげでビジョンが見えなくなってしまいました。そして、今に至ります。

今回はせっかくの機会だったのに、上手く話せずとても悔しかったです。本当に悔しくて。しばらくは、忘れたものを思い出す日々になりそうです。
上司との関係は相変わらず芳しくないですが、そんなのは正直どうでもよくて。私の目標やビジョンの実現が地域の人々や医療・介護関係者のサポートになると信じてやっていきたいなと。まだ明確なビジョンはありませんが、まずは薬剤師の顔が地域に見えるようになることが重要だと考えています。

とまあ色々と書きましたが、転職して3年が過ぎ、特に今年は周りの人に恵まれたこともあり(薬剤師はそうでもないですが…)、ようやく当初目指してきたものに取り掛かれそうな雰囲気になってきました。
今年はしっかりと夢やビジョンをもって過ごしていきたいです。

2017年3月26日 (日)

月刊ブログ 田舎の地域医療を志す薬剤師(2017.3)(春は分かれの季節ですが、、、)

今年も早いもので3月になりました。1年間いろいろありましたね、ほんとに。
そして、例年ですが3月は多くの別れがあります。何故か今年は例年に比べて思うところがあります。
病院に転職してきて3年が経過しました。最初は右も左も分からなかったのですが、徐々に自分のすべきことが分かるようになり、他職種との連携もできるようになりました。他職種の方とは毎日顔を合わすわけではないので、信頼関係も徐々にできてきたという感じですね。特に、小さな病院なので、みんなと接点がありますし。
そうやって信頼関係ができていた矢先の異動・退職が、今回は多い気がします。
院内の他職種のみならず、取引先も同じです。卸の担当者やMRの異動も多いですね。彼らとは頻繁に情報交換しますし、有用な情報を頂けることもしばしばです。正直、人によって差が激しいのですが、かなり信頼している方も中にはいます。そういった方の異動は堪えます。その逆の人も多くいるのですが。
何か、少しずつ築いていったものが一気にして崩れるような気がして、もやもやしています。薬局時代は1,2年で異動を繰り返していたので、まだこういったことを感じる前に異動していたのかもしれません。主応需先や患者さんには申し訳ないなと思っていましたけど。
もちろん新しい‘風’が入ってくることや、外で学んでまた帰ってくることも大切だとは思いますが、この少しずつ積み重なった信頼関係というのは、何にも代えがたい大切なものなのではないかと思います。同じ人と続けて仕事をすることの大切さを学んだ気がします。
まあその分出会いがありますから、それも楽しみではありますが。ただ、信頼関係を一から築くのがまた大変なんですよね。

2017年2月21日 (火)

月刊ブログ 田舎の地域医療を志す薬剤師(2017.2)(メーカー主催のwebセミナー)

製薬メーカー主催による各地でのいわゆる講演会が開催されにくくなっている一方で、
製薬メーカー主催によるwebセミナーが盛んになってきています。
最近ではたくさんのメーカーが力を入れてきていて、
メーカーによって開催頻度は様々ですが、ほぼ毎日どこかのメーカーが開催しているような印象です。

私はかなり多く視聴していると思います。
web
セミナーには様々な意見がありますが、個人的にはメリットが大きいと思います。
デメリットといえばメーカーのバイアスくらいですかね。
まあでもそれは、講演会でも同じことで。
それに、webセミナーのそういったバイアスも以前はひどいものが多かった印象ですが、
最近は減ってきているように思います。
こういったのをたくさん見てきたせいか、その判別もできるようになってきました。
メーカーの主催なので、ある程度は致し方ないでしょう。

メリットは沢山あると思います。
・ネット環境があればどこでも視聴できること。
講演会の会場に行かなくてもいいというのはかなり便利ですね。
以前はパソコンでしか視聴できないものも多かったですが、
最近はタブレットやスマホで視聴できるメーカーも増えてきています。
・時間に融通がきく。
夕方から夜にかけての配信が多いですが、
同じ内容を2回配信したり、朝や昼に配信したり、
タイムシフトといって配信時間に遅れても最初から視聴出来る機能を備えているメーカーもありますし
(
それに、このタイムシフトは聴き漏らした時やメモができなかった時にもう一度戻れるので便利です。)
配信後数日は録画で配信されることもあります。
講演会だったら、仕事の都合や開始時間が早かったりで遅れることもありますしね。
メモという点でいえば、画面コピーにてスライドを保存することができるのもメリットですね。
(
いや、ホントはやってはいけないはずです。。。)
あとから見返すこともできますし、便利なのは文献の情報(ジャーナル名、著者、URLPMID)を間違えずに保管できることです。
・著名な先生の講演を拝聴できる。
著名な先生が各地の講演会に来ることはなかなか難しいですが、
web
セミナーであればそれをお聞きすることが可能ですし、
そういったエキスパートの先生は、お話も上手なことが多く、聞きやすいことが多いです。
・途中退席ができる。
これは隠れたメリットかと思いますが、講演会には当たりはずれがありますし、
来なければ良かったと思いながら帰りにくくて最後まで退席できない、ということがあると思います。
その分webセミナーはいつでも視聴を止めることができますし、
拝聴する姿勢が悪くても失礼にはなりませんので、気楽に参加できます。

色々書いてきましたが、田舎に住む私にとってはメリットの方が圧倒的に大きいです。
私の勤務地から当地区の講演会の会場までは常に30分はかかりますし、
開催頻度は1か月に1回程度と、非常に少ないです。
県での講演会は週に何度か開かれているようですが、そこに行くには1時間半くらいかかります。
そういった意味では、会場まで行かなくていいのはかなりのメリットですし、
頻度も多いので助かっています。
また当院は専門医がほとんどおらず、様々な分野の最新の情報を収集することが難しいのですが、
web
セミナーでは様々な分野のエキスパートの先生が話されることが多いので、
色んな分野の情報を集めるのにも適していると思います。

最近では、単なる講演会のような内容の配信だけでなく、様々な内容が配信されていますので、その一部を紹介します。
Live Symposium for Pharmacist(第一三共)
http://dstv.dsc-caster.info/websemi/all/170228/?utm_source=ml&utm_medium=banner&utm_campaign=seminar&ktr_sid=d0a199f215d544004b44ed8ee7c36f81&ktr_rpt=1
活躍されている病院薬剤師、薬局薬剤師、それぞれの立場からのお話のようです。

・第1回かかりつけ薬剤師インターネットシンポジウム(ファイザー)
http://pfizerpro.jp/cs/sv/pfizerpro/eventmst_D/eventmst/1259799954383
こちらでは、研修認定薬剤師の自己研修受講単位の申請もできるようですね。(1単位に4時間の視聴が必要なようですが…)

・若手医師セミナー(ファイザー)
http://pfizerpro.jp/cs/sv/pfizerpro/eventmst_D/eventmst/1259799722852
こちらは有名すぎますが。今年度は終了しましたので、また来年ですね。

こういった製品とは全く関係ないものを配信していただけるのは大変ありがたいです。是非ともたくさんの方に視聴してほしいものです。

田舎に住んでいる私としては、学習の方法や情報収集についてはかなり工夫しているつもりです。
また今後、様々なものを紹介できればと考えております。

2016年12月31日 (土)

月刊ブログ 田舎の地域医療を志す薬剤師(2016.12)(2016年を振り返って)

2016年は、自分自身で薬剤師としての成長を感じ取れた1年だったように思います。
1番大きかったのは、検索言語として英語が定着したことです。
これは本当に大きかったです。
数年前から少しずつ行ってはいましたが、慣れずに、あまり定着していませんでした。
今年、とある臨床疑問について調べるために色んな単語で検索し、
たくさんの英語の文献を読んだことで、かなり身近になった気がします。
同じような背景のものをまとめて読んだことで、その事象の真実味が増したり、
逆に分からなくなったりすることがありましたが、
こういったことが文献を読んでいく意味の1つなのかなと感じました。
そしてそれを通して考えたことをまとめて、処方提案をして、それが実際に適応される。
この過程を経験できたことが良かったように思います。

臨床疑問について調べ、分かったこと・考えたことを処方提案等し患者さんへ適応し、
それをフォローしていく。
こうやって成長していくのかな、と。
まだまだ検索・解釈の能力は低いですが、
繰り返すことで少しずつ成長していければと考えております。

今年は何度か発表させていただく機会があり、そこでの成長も大きかったように思います。
準備は大変でしたが、その途中で学ぶことは多かったですし、
何よりも発表することで様々な意見をお聞きすることができ、大変勉強になりました。
来年は未定ではありますが、また機会を見つけて発表をしていきたいと思います。

また、薬剤師って重要だなと思う機会が多かったようにも思います。
処方提案にしろ、監査にしろ、他職種からのご用聞きにしろ。
医師や看護師と話していて、「えっ、そんなことも知らなかったの?」と思ったことも何度かありました。
今後の情報発信の重要性を感じました。

これは毎年毎年ですが、今年もツイッタランドの皆様には大変お世話になりました。
日々のやり取りはもちろんですが、今年は「JJCLIPワークショップ」、「医療薬学会(特に、TKGオフ会)」、「居酒屋抄読会」等のリアルの場で
様々な方とご一緒することができ、大変ありがたかったです。

その一方で、ブログが全然書けなかったですね。
来年は、もう少し書いていきたいな、と。

てことで、来年の目標は『アウトプット&結果』にしたいと思います。
そのままではありますが、様々な形でアウトプットする機会を増やし、それを含め何かしらの結果につなげることにこだわっていきたいと思います。

来年特に力を入れていきたい分野は、「糖尿病」「緩和」「栄養」です。
どの分野も、最近当院での必要性が高まってきている気がしています。
この3つの分野を中心に学習していきたいと思います。

最後に…
明日から新しいブログが始まります。
こちらもどうぞよろしくお願いいたします。

2016年10月 8日 (土)

リンコ的読書日記(2016.9)

7月、8月は試験があったおかげでほとんど本が読めませんでした。
先日連絡があり、合格していたようでホッとしております。

その反動もあって9月はたくさん読めましたので、また5冊の感想を。
今回から5点満点で★をつけていきます。

1.4ステップ 臨床力UPエクササイズ4TDM領域 ★★★★★


学会発表の準備のために、動態とTDMの基本的なことを整理したくて購入。
添付文書がちゃんと読める薬物動態学 」と合わせて読みましたが、本書の方が個人的には良かったです。
基礎的なことを整理するには十分でしたし、より臨床での実践的だったのではないかと思います。
最後のほうの総合問題も良かったです。十分に臨床で使えるのではないかと。
お薦めです!

2.リサーチ・クエスチョンの作り方 第3版 (臨床家のための臨床研究デザイン塾テキスト)★★★★★

医療薬学会で福原先生のご講演を聴講したことをきっかけに購入。
臨床研究をデザインする上での重要なことが、基礎的なところから書かれており、この分野についてあまり知らなかった私にとっては大変勉強になりましたし、臨床研究を少しでもやっていきたいと思いました。
臨床研究を行う時のポイントが分かることで、論文を読む際のポイントも理解できたように思います。

3.友だちの数で寿命はきまる 人との「つながり」が最高の健康法 ★★★★★

石川先生のご講演を聴講したことがきっかけで購入。
いやー、面白かったです。
この分野のことは少しくらい理解しているつもりでしたが、
見たことのないデータが沢山出てきてビックリしました。
もう少し引用文献がはっきりと書いてあるとよかったのですが。
「つながり」が大切ということをしみじみと感じました。

4.弱いつながり 検索ワードを探す旅 (幻冬舎文庫) ★★★★☆

あるお方から紹介されて購入。
平易な言葉で書かれていたので、こういった分野の書籍はほとんど読まない私でも概ね理解できました。
何度か読み直したい書籍です。
まとめ方が難しいですが、検索ワードによって見えてくる世界が変わること、その検索ワードを見つけるには旅が有効であること、その旅での偶然の出会いは弱いつながりであるかもしれないけど、それは後々強いつながりになる可能性があるということ、かな。
検索ワードを広げる必要性は日々感じておりますので、旅に出てみようかな。

5.僕は君たちに武器を配りたい エッセンシャル版 (講談社文庫) ★★★★☆

瀧本さんの本は「戦略が全て」に続き2冊目。
読みやすいですし、瀧本さんの著書は結構好きです。
最近は少し自分に甘いな、と思いながら。
英語の勉強、投資の勉強はしっかりといていかないといけませんね。
そして、自分というブランドをどう作っていくか。周りの仕事がうまくいってそうな人は確かにうまく作っているような気がします。私もどうすればいいか、考えてみます。

月刊ブログ 田舎の地域医療を志す薬剤師(2016.10)(フレイルを始めとした新しい言葉から考えたこと)

久しぶりになってしまいました。
私の住む町では、月に1回医療介護関係者やその周辺の方々が集まって「健康カフェ」を開催しております。
その8月のテーマが「フレイル」でした。
分かっているような分かっていないような
似たような概念で「ロコモティブシンドローム」、「廃用症候群」、「サルコペニア」もあります。
どれも最近よく聞く言葉ですが、違いがよく分からなかったので、調べてみました。

ロコモティブシンドローム(運動器症候群)2009年に日本整形外科学会が提唱。 運動器の障害による移動機能の低下した状態。筋肉、骨、関節、軟骨、椎間板といった運動器のいずれか、あるいは複数に障害が起こり、「立つ」「歩く」といった機能が低下している状態をいい1)例えば「階段を上るのに手すりが必要である、15分くらい続けて歩けない、片足立ちで靴下がはけない、横断歩道を青信号で渡りきれない、家のなかでつまずいたり滑ったりする」場合などが含まれる。2)

廃用症候群:身体の不活動によって引き起こされる二次的な障害の総称・廃用によっておこる様々な症状をまとめたもの。どの疾患があるから、何日寝たきりだったから廃用症候群に該当する、というような具体的な指標はありません。3)

サルコペニア:1989 年、Irwin Rosenbergによって、年齢と関連する筋肉量の低下を「サルコペニア」(ギリシャ語で筋肉を意味する 「sarx」と喪失を意味する「penia」)と提案された。それ以来,サルコペニアは加齢に伴って生じる骨格筋量と骨格筋力の低下として定義されてきた。サルコペニアには複数の要因があり,例えば,生涯にわたる老化の過程,幼少期における発育・発達の影響,不適切な食習慣,寝たきりや不活発な生活スタイル,慢性疾患や特定の薬物療法などが 挙げられる。また,サルコペニアは身体的な障害と健康障害の状態につながる.つまり,運動障害,転倒・骨折の危険性の増大,日常生活の活動能力(ADL)の低下,身体障害,自立性の喪失,および死亡する危険性の増大などである。4)

フレイル: 高齢期に生理的予備能が低下することでストレスに対する脆弱性が亢進し、生活機能障害、要介護状態、死亡などの転帰に陥りやすい状態で、筋力の低下により動作の俊敏性が失われて転倒しやすくなるような身体的問題のみならず、認知機能障害やうつなどの精神・心理的問題、独居や経済的困 窮などの社会的問題を含む概念である。しかしながら、この概念は多くの医療・ 介護専門職によりほとんど認識されておらず、介護予防の大きな障壁であるとともに、臨床 現場での適切な対応を欠く現状となっている。平成265月日本老年医学会が提唱 5)

ざっと書いてみましたが、結局よく分かりません。。。(廃用症候群は他とは少し異なっているように思いますが。)
別々の学会や人が提唱しており、定義が明確でないので仕方ないのかもしれませんが。重複している概念もありそうですし。
これを調べている段階で、運動器不安定症とか老年症候群とかも出てきましたし、素人にはこれらの言葉の乱立は理解に苦しむところではあります。

こういう言葉は、ある特定の集団をまとめてグループにしたい時やその患者さんのおおまかな状態を知るのには良いと思います。しかし、その中でもそれぞれの人によって少しずつ状態は違うわけですので、言葉に捕らわれすぎないようにしないといけません。

これは何かに似ていると思ったら、うちの業界の「ポリファーマシー」ですね。

いつからかどこからか「ポリファーマシー」がやってきました。
明確な定義はなく、「5剤以上の併用」や「他剤併用」や「不適切処方」のように理解されています。
そしてポリファーマシーへの介入方法が議論されるようになり、「薬剤総合評価調整加算」なるものができました。
先日の医療薬学会でも「ポリファーマシー」関連の発表が盛り上がっていました。

でもなんか違う気がします。
いつの間にか「ポリファーマシー」という言葉に捕らわれ過ぎていたのかもしれません。
概念よりも大切なことがあるはずです。

Pharmacist Magazine
特集コラム「薬学関連用語についての考察」で、アップル薬局の山本雄一郎先生は以下のように書かれています。

最近ではポリファーマシーという概念が登場し、コンプライアンスやアドヒアランスといった言葉によって思考停止状態に陥ることが少なくなってきたのかもしれません。では、ポリファーマシーという概念を中心に据えて、ただ薬の数を減らせばいいのでしょうか。これもそうではありません。薬の数を減らせば、その患者は幸せになるのでしょうか。それでは、集学的治療といった概念ではどうでしょうか。もうわけがわからなくなってきました。それは言葉だけで考えているからです。そういった概念に振り回されて、患者を診ていないからです。

新しい概念を学ぶことはいいことです。しかし、使いこなせないのならいっそ使わないのもひとつの手です。そして、注目してほしいことがあります。それは、概念そのものよりもその背景、そういった概念が求められるようになった背景です。そこにこそ薬剤師に求められていることが見え隠れしているからです。


また、青島周一先生はご自身のブログ「思想的、疫学的、医療について ポリファーマシー問題問題が問題なのかもしれない。」」にて、このように書かれています。

問題なのはポリファーマシーを問題化してしまったところにあるのではないか。僕たちの仕事は多分こういうことではなくて、患者個別により妥当な薬物治療を模索することだけではないか。ポリファーマシーが問題なのではなく、その問題が問題なのではないか。問題の複雑性を解体していくことこそが、この問題の唯一の解決策なのかもしれない。複雑性をどう解体するか、そのプロセスのなかに大切なことがあるように思う。


今後も時代の変化に伴い、新しい概念や言葉は出てくると思います。ただその時、それに捕らわれ過ぎず、本当に大切なことを忘れないようにしていかないといけないのではないかと思います。

最後に、真田丸の真田昌幸の名言より。


A0119856_1859729_3

(http://dobashin.exblog.jp/23265991/より拝借しました。)

 

 

 

1)ロコモチャレンジ!日本整形外科学会公認ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト https://locomo-joa.jp/
2)日本整形外科学会 https://www.joa.or.jp/jp/index.html (「運動器不安定症」ついても書いてあります。あちらは保険収載がある病名ですね。)
3)WELQ ココロとカラダの教科書「体の機能が低下していく廃用症候群を予防しよう!原因となる病気や症状からリハビリ方法まで」https://welq.jp/12915 (廃用症候群のことが丁寧にまとめてありました。)
4) サルコペニア:定義と診断に関する欧州関連学会のコンセンサスの監訳とQ&Ahttps://www.jpn-geriat-soc.or.jp/info/topics/pdf/sarcopenia_EWGSOP_jpn-j-geriat2012.pdf
5)フレイルに関する日本老年医学会からのステートメントhttp://www.jpn-geriat-soc.or.jp/info/topics/pdf/20140513_01_01.pdf

2016年7月24日 (日)

月刊ブログ 田舎の地域医療を志す薬剤師(2016.7)(病院と薬局のハザマで)

先日、第9回日本在宅薬学会(http://congress.jahcp.org/)に参加してまいりました。
ホームページの写真にばっちり写っています()

今回の学会で一番印象に残ったのが、
2日目のシンポジウム6「病院薬剤師からみた薬薬連携~薬薬連携の展開について在宅薬剤師と共に考える~」でした。

実は最近、来年あたりに病院を辞めて薬局に転職しようかな、と考えておりました。
本学会の1日目を終わった時点では、その気持ちはより強くなっていたのですが、
2
日目のこのシンポジウムを聴講し、気持ちが正反対に変わりました。

シンポジウムでの各演者の発表を聞きながら、当地区の薬薬連携と在宅への薬剤師の関与について考えていました。
現状は全くといっていいほどできていません。これは病院側に大きな原因があると思います。
薬剤師の人数が少なく、また人数が安定しないためになかなかそこまで手が伸びませんでした。
ただ去年までは薬剤師が1人でしたが、幸い今年から2人態勢になりましたので、
少しは取り組んでいけそうな状態になっております。今もろもろの準備中です。

当地区は病院が一つと薬局が二つ、そのほかに診療所がチラホラあります。
高齢化率は30%を超えており、地域包括ケアに対する取り組みが進みつつあります。
そんな中、薬剤師は取り残されている状況です。

こんな状況で、自分が出て行ったらどうなるのか?
もう一人の薬剤師である上司は、こういった辺りに疎いので、さらに進まなくなってしまいそうな気がします。
外から強引に動かすこともできるかとは思いますが、やはり中心は病院ですし、
退院時等に病院から情報提供をしてもらわなければなりません。
また、病院の中で活動することで他職種からの認識も深まるのではないかと考えています。

というわけで、当地区の連携を進めていくには、私が残って進めていくのが得策なのかなと思いました。
でも、これがクリアされればやっぱり薬局に行きたいですね。
10年くらい任せられる薬剤師が病院に入ってこれば
当分の間は難しいかな

にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ
にほんブログ村

薬剤師ブログタイムズ ブログランキング参加中! クリックしてこの記事に投票

«月刊ブログ 田舎の地域医療を志す薬剤師(2016.6)(元同僚医師から教えてもらったこと)

2017年7月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

薬剤師ブログタイムズ

  • 薬剤師ブログタイムズ ブログランキング参加中!

日本ブログ村