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2017年10月 6日 (金)

月刊ブログ 田舎の地域医療を志す薬剤師(2017.10)(インターネット上の医療情報)

いわゆる‘トンデモ’医学情報というのは本当に多くて。インターネット、TVSNS、書籍などなどに溢れていますよね。もう何が何だか分からないです。でもこれって医療に関する情報だけではないんですよね、きっと。
こんな情報をたくさん見ていると、医療以外の情報もきっと同じように‘トンデモ’情報が猛威を振るっているのではないかと思ってしまうわけです。だからものすごく注意しています。人間不信ならぬ情報不信ですね。
そういえばこんな記事も出てましたね。

医療法改正によるウェブサイト規制「Twitterやブログも対象にする方針」 範囲めぐり議論
10/7の「第5回医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会」での話題のようです。資料にそのような明示はありませんが、議論の中で話が出たのでしょうかね。

そんなわけで、今日はインターネット上の医療情報について書いていきたいと思います。
インターネット上の医療情報の文献といえば、真っ先にこれが頭に浮かびます。

Differences in the quality of information on the internet about lung cancer between the United States and Japan.
(
米国と日本の間での肺癌についてのインターネットの情報の質の差)
J Thorac Oncol. 2009 Jul;4(7):829-33.
PMID:19550244

(
というより、これしか知らないんですけどね)(英語が苦手な方は、こちら でこの論文が少し紹介されていますので、参考にどうぞ)
簡単に紹介しますと、日本のgoogleyahoo、米国のgoogleの各検索サイトにてⅣ期非小細胞肺がんの治療について「肺癌-lung cancer」をキーワードにして検索。上位50サイトのうち、重複やリンク切れを除いた各274435サイトを対象にして正しい情報(標準治療のようです)が記載されているかどうかを調べたものです。
結果は次のグラフをご覧ください。一目瞭然です。
Photo
米国のgoogle28(80%)が正しい情報だったのに対して、日本のgoogle10(37%)yahoo20(45%)しか正しい情報がなかったようです。また、日本のgoogle7(15.9%)yahoo7(25.9%)は代替医療について書かれていたようです。
またサイトの運営者も大きく異なるようで、米国ではNPOや公的機関が最も多いですが、日本ではそれらは少なく、医療機関が多くなっています。
この論文は2009年の論文なので、実際に私も「肺癌」を検索してみましたが…怪しい情報がチラホラ見られますね。それぞれの医療機関が情報を発信しているという特徴は大いに見てとれました。いいのか悪いのかよく分かりませんが。


また、「平成27年度社会課題解決のための新たなICTサービス・技術への人々の意識に関する調査研究」という研究がありまして、「健康や医療について調べたいことがある場合」の情報検索ツールについての問いがありました。結果はこちらです。

インターネットの検索サイトで検索するというのが圧倒的に多く75.2%となっています。質問サイトを加えると8割を超えますね(インターネットを介しての調査なのでこれだけの結果になったという可能性もありますね)。しかし、その中の情報は…。

話は少し変わってヘルスリテラシーの話へ。ヘルスリテラシーについては以前こちら で取り上げましたので、よろしければご覧ください。
その中で日本人のヘルスリテラシーが低いことを紹介しましたが、その文献の中で医療情報に関連する部分を取り上げます。元論文はこちら ですね(この文献とその周辺のことに対する私の考えはこちらで取り上げております。)。今回の話題に最も関連のある「ヘルスケア評価」メディア(テレビ、インターネット、その他のメディア)から得た病気に関する情報が信頼できるかどうかを判断するのはという設問に対して、欧米人は49.7%が難しいと答えたのに対して、日本人は73.2%が難しいと答えたというものです。
(
こちら のサイトの表を使用しています。)
Photo_3

これまでのことをまとめると、日本は検索サイトが充実していない上に、日本人は情報の信頼度の判断もできない、となります。逆に、情報の信頼度の判断ができないから、悪質なサイトが横行しているとも言えそうです。

この状況を憂いてばかりいるわけにもいきませんが、個人として対抗するのははなかなか難しいなと感じております。不特定多数の方に情報提供をするのは私には難しく、私より上手な方にお任せしようと思います。で、自分に何ができるのかな?と考えたときに思い浮かぶのが地道な啓発活動です。
このブログでは何度か書いていますが、今年から地域の高齢者サロンで少しお話をさせていただいております。その時にこの‘トンデモ’医学情報の話もしています。こんな感じで。
Photo_4

この時にお伝えしているのが、「鵜吞みにせずに、信頼できる医療者に相談してください。」ということです。このような情報が氾濫している中で、一般の方が判断するのは難しいのではないかと思うのです。医療者といってもたくさんおりますので、医者でも看護師でも薬剤師でもいいとは思います。そういった方に相談することができれば、簡単にだまされることはないのかなと思うのです。
この話をしたら、「信頼できる医療者がいない。」という意見をお聞きしました。確かにそうですよね。普段病院にかからず、知り合いに医療者がいない場合も十分にあります(主治医を信頼していないという場合もあるようですが。。。)。海外ではかかりつけ医がある程度決められている国もあるので、日本の現状の制度の残念なところかもしれません。そんな方は、まず誰か知り合いに話してみるのがいいのかなと思います。一人で考えていると思い込んでしまうこともありますのでね。知り合いの信頼できる医療者を紹介してもらえるかもしれませんし。その相談相手が‘トンデモ’信者ではないことを祈りながら。。。

それに加えて、適切な情報サイトや書籍を紹介するということをしています。先月のブログ にも載せましたが、私がサロン等の活動で紹介しているのがこちらになります。

・「抗がん剤は効かない」の罪 勝俣範之()
いわゆる近藤本に対して書かれた本です。あれを鵜呑みにしてしまうのは危険なので、その前に一般の方には読んでほしいですね。
勝俣先生は様々なところで講演をされておりまして、そのスライドをSlide Shareにて共有されております。先日共有されました正しい医療情報を得るためには はとても勉強になりましたし、今回のテーマにピッタリなので、ご紹介させていただきます。
・「ニセ医学」に騙されないために NATROM()
巷に溢れている、いわゆる「ニセ医学」に対して書かれた本です。一般の方にどれが「ニセ医学」なのかを理解するのは難しいと思いますので、こういった書籍を読んで免疫をつけてほしいです。
・「原因と結果」の経済学 中室牧子、津川友介()
こちらは医学の本ではなくて、経済学、統計学の知見からの書籍ですが、その中で「因果関係」と「相関関係」の違いや、「臨床試験の見方」を学ぶことができます。

・朝日新聞 apital 「これって効きますか?」
こちらはインターネットサイトですが、大阪大学大学院医学系研究科統合医療学寄附講座の大野智教授による週1回の連載です。医療に関する情報の収集の仕方を中心に丁寧に書かれています。一般の方にも非常に分かりやすく書かれているのでオススメです!

この他にもたくさん信頼できるサイトや書籍はあります。医療関係者に聞けば一つや二つ知ってるんじゃないでしょうか??一般の方は、医療者に「どこを、何を見て勉強すればいいですか?」と聞いてみるのもいいのではないかと思います。

てことで、これからも地道に活動していきたいと思います。


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2017/10/8 追記
てことで、今回はるるーしゅさんの呼びかけにて、薬剤師ブロガーの賛同者で同じテーマのことを取り上げて、同日にアップしてみました。
書いてくださった皆さんの記事を紹介しますね。


るるーしゅさん:『立てよ!薬剤師
熊谷信さん:『専門家が正しい情報を発信し続けることの重要性
kuriedit
さん:『お知らせ
けいしゅけさん:『薬剤師に医療情報ブログのネット検索結果の上位は勝ち取れますか?
ネーヤさん:『情報弱者~雑誌とテレビと、時々、ネット~
Fizz-DIさん:『検索結果に医薬品の違法・不正流通サイトを見つけた時は~フィードバックと薬剤師の情報発信 | お薬QA 〜Fizz Drug Information
ミニ丸さん:『「立てよ、薬剤師」→「「「「はい!」」」」
みやQさん:『インターネットで医療情報を検索するとえらいことになった
むむさん:『勃てよ、薬剤師!
やくちちさん:『あなたのクリックが患者さんを救う!
よっしーさん:『健康食品の「妥当な情報」とは?まずは情報発信が増えて欲しい!
くわばらさん:『立てよ薬剤師!
※漏れている方がいらっしゃいましたらすみません!!

最後にお願いです。
読んで気に入った記事があれば、どんどん拡散してください!

お願いしまーす♪

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